ベンチャーを渡ってきたエンジニアがキャリア形成のために心がけてきたこと

       
  • 開発
 

こんにちは、業務委託社員の中山です。

本日紹介するのは、複数のITベンチャーでエンジニアをしてきた鈴木さん(愛称ヒロさん)。今はCTOとしてユーティルを技術面から支える柱のひとり。

キャリア観って「どこで、誰と、どんな仕事をしてきたか」で形成されるものだと思うんですが、一貫してベンチャーで働いてきたヒロさんのキャリア観とどのようなことを意識してきたかを語ってもらいました。

■登場人物
<鈴木宏之>
1990年生まれ。中央大学卒業(土木)後、ITベンチャー数社でエンジニアとして従事し、2017年にユーティルにジョイン。技術領域は、インフラ、フロント、バックエンドとiOSアプリまで幅広く。愛称は「ヒロさん」。趣味は、筋トレと料理(自分の作る料理は麻婆豆腐が一番好き)
【関連記事】「CTOが技術以上にこだわるエンジニアとしてのスキル。成長スタートアップでエンジニアをするということ。」「元CTOが語るユーティルのカルチャーと今後【鈴木さん、本当にありがとうございました!!】

<中山>
ユーティルの業務委託社員。コテコテのオッサン。
リモートワークで太ってきたのでダイエットに取り組んでいる。

どんな経緯でエンジニアを目指すことになった?

中山:エンジニアって、幼少期からその片鱗を見せるものだと思うんだけど、ヒロ(鈴木)さんはどうだったんですか?

鈴木:幼い頃から技術が好きでしたね。小学三年生の夏休みの自由研究で、ミニ四駆を分解してモーターを自作したりしてました。

中山:ミニ四駆にハマる、まではふつうだとして、9歳でモーター自作はちょっと常軌を逸してる。もちろん、いい意味で。

鈴木:それと、算数・数学が好きでした。たまに全国模試で一桁順位になったりするくらいだったので、まずまず性に合っていたんだろうなと。だからエンジニアを目指したってわけじゃないけど、「科学&物作りが好き」ってのが原点な気がします。

中山:じゃあ、学生時代の専攻は、理工学部とか工学部?

鈴木:いえ、土木です。建築の世界のエンジニアですね。

中山:土木科からだと、ゼネコンとか建設会社に就職するのが一般的?

鈴木:そうです。あとは行政関連の土木課…がよくあるパターン。ただ、自分の研究テーマがIT系ってこともあってプログラミングをかじりだして、徐々にそっちの世界に興味が湧きました。

で、大学院まで進んでいたのを中退して、当時インターン中だったITベンチャーに飛び込んだ…のがエンジニア人生の始まりです。

大手ではなく、ベンチャーを選んだ理由

中山:就活はIT関連メインだったと思うけど、どのへんを受けたんです?

鈴木:大企業SIer中心に、ベンチャーにも足を運んだり。親は大手に就職してほしかったようですが、結果的にベンチャーを選びました。

中山:僕は大学生の娘を持つ親の身だから、薄っすらお父さんの気持ちが想像できるんだけど、「大学院を中退してベンチャーで働く」って息子が言いだしたら、心穏やかではいられない人もいると思うのよね…。親子間でひと悶着あったんじゃ?

鈴木:……ありました(笑)。ベンチャーに行くことに親は納得してなかったですけど、まあそこは自分の人生ですから…。

中山:大手のほうが給与が良くて、安定もしているのに、なぜあえてベンチャーに?

鈴木:大手の会社説明会で出てくる若手社員が、つまらなそうに働いているように見えたんです。会社の良い部分を無理やり言わされて…本心じゃないんだろうなぁ…って、学生ながら感じ取ってしまったんです。

翻って、ベンチャーの社員らは、一様に楽しそうだったのが印象的でして。ベンチャーのほうが成長の可能性が大きいと思えたのが一番の理由です。

中山:僕も社会人人生のほとんどがベンチャーだったから、その気持は分かる気がする。

鈴木:当時聞いた話ですが、ゼネコンによっては出身大学で出世できる役職が決まります。「◯◯大学だと現場監督止まり」みたいな。どこまで本当かわからないですが、そういう風潮が残るであろう世界にわざわざ飛び込むのもつまらないかな、とは思いましたね。

成長するためにどう学んできた?

中山:独学はもちろんとして、コミュニティに属するとか、メンター見つけるとか、スクールに通うとか、どんなことして学んだんですか?

鈴木:就職前にスローガンという会社が主催する「スタートアップ向けエンジニア養成講座」に申し込みました。座学はなくて、「2ヶ月で目標設定してシステムを作る」という実践型コースでして、

1.自力でなんとかする

2.毎週、講師に進捗報告する

3.フィードバック受ける

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って仕組みです。

中山:虎穴に放り込まれるかんじで鍛えられそう(笑)。挫折する人も一定数いるんでは?

鈴木:僕は残りましたが、5人中の3人が脱落しました。この講座に参加して基礎力がついたし、システム開発を進める力はかなり鍛えられました。

中山:勉強会とか、コミュニティってどうなんですか?

鈴木:僕の経験の範囲でいうと、微妙でしたかね。とある勉強会のメンターを努めたことがあるんですが、受け身の参加者が多いなと感じました。

中山:勉強会あるあるかも。

鈴木:あと、効率を極めようとすると、移動時間と費用とか、他の人にスピードを合わせる必要があったりして、そのへんもデメリットかもしれません。もちろん、有益な勉強会はたくさんありますが、結局本人の取り組む姿勢次第…ですかね。

新卒エンジニアはベンチャーか大手のどっちを選ぶのが良いと思う?

中山:主観でいいので、ヒロさんの考えを聞かせてください。

鈴木:大手で働いたことはないけれど、エンジニアとして飛躍したいならベンチャー、堅実に生きたいなら大手…かなと。

中山:まあ、正解なんて無いですからね。その人の相性とか価値観もあるし。

鈴木:報酬だけ見れば、大手のほうが良いです。よく、サラリーマンの生涯賃金3億円っていうじゃないですか。たとえば、大企業で年収700万円×勤続40年だと、単純計算で2.8億円になります。

中山:うん、ならすとそんなかんじでしょう。

鈴木:中小企業の現実的なパターンだと、年収500万円×勤続40年=2億円とか。

中山:エンジニアに限らず、他の職種でも当てはまる差な気がしますね。

鈴木:ただ、大手>ベンチャーってことではなくって、むしろ厳しいのはベンチャーのほう。「大手に落ちたからベンチャーにするか」って人は、安易に考えていると付いていけないです。

中山:やること多いし、スピード感は速いし、良くも悪くも若いうちにドンドン任されるだろうし。

鈴木:そういうことです。ちなみに、ベンチャー入社組の飛躍の典型3パターンは、

1.ベンチャーに入社して起業
2.ベンチャーが成長して大手になって出世
3.大手のよいポジションに転職

の3パターンが多いと個人的に思ってます。

エンジニアにとってのベンチャーのメリットとデメリットって何?

鈴木:メリットは「大手だとできないことにチャレンジできる」でしょう。数段飛ばしで階段を登れることも。

中山:良いことじゃないですか。

鈴木:反面、要求レベルに付いていけない問題はありえます。僕も1年目は超大変で、スキルが追いつかない不安と常に戦う日々でした。仕事はすごく楽しかったですが。

中山:業務時間以外にも独学しないといけなさそう。

鈴木:朝イチでカフェで自習→出勤→仕事後にまたカフェで自習→帰宅って生活を送っていました。

中山:文系の私の素朴な疑問なんですが、エンジニアの方々って、30歳後半~40歳以上のいわゆるオジサンになってからのキャリアパスはどうしていくものなんですか?ロールモデルっています?

鈴木:正直、悩みどころです。今年31歳なんですが、30代前半はユーティル創業メンバーとして会社を成長させるのを技術で支えるのがメインの役割。それを達成したら、プレーヤーかマネージャーになるかは考え中ですね。半々かもしれないし。

中山:プログラマー35歳定年説って存在するんですか。

鈴木:存在しないと思います。Webエンジニアでは40代はふつうにいますし。ただ、SI領域だとちょっとあるかも。単価を上げ続けるのは厳しい世界なので、年齢が上がると仕事が少なくなるかもって不安はありますね。

中山:50代以降は…?

鈴木:まだ31歳なんで、イメージできないです(笑)。業界が若くて周囲に50代のエンジニアがいない=ロールモデルがいない…ってのもありますけど。

もしも20歳からやり直せるなら、(エンジニア目線で)人生をどうやり直したい?

鈴木:20歳のころは学業に力を入れていたんですが、もっとビジネスを学ぶ機会を増やせばよかったかなという後悔はあります。

中山:たとえば?

鈴木:アフィリエイト、せどり、あるいは小さく起業するといった「自分でスモールビジネスを主体的に取り組む」って行動です。ビジネスの基礎を学んだうえで技術と向き合っていれば、もっと成長できたかもしれない。

中山:大学生時代にインターンはしなかった?

鈴木:当時はその発想がなく、勉強ばかりでした。土木の世界はインターンがそもそも存在しないので(苦笑)。インターンを始めたのは大学院生になってから。

中山:今って、無料か超低価格で勉強できる学習プラットフォームやリソースが充実しているので、やる気のある人には良い時代ですよね。

鈴木:僕が20歳の11年前は、書籍か、ドットインストール(3分動画で学べるプログラミング学習サービス)か、ググるしかなかったので、便利な世界になりましたね。Webエンジニアになりたい人向けのプラットフォーム「Progate」とか色々あるし。

中山:最近の若いエンジニアさんの印象ってどうですか?

鈴木:新しい技術へのキャッチアップが速い!です。単純なスピード感だけだと負けそう(笑)。でも、基礎技術の土台ができているのは社会人エンジニアの強みです。まだまだ若者には負けないですよ。

ユーティルでエンジニアとして働くことのメリット

中山:生涯年収だけでいえば大手…なんて身も蓋もない話もしたけど、ベンチャーのユーティルで働くメリットをズバリ。

鈴木:成長&チャレンジの機会がふんだん!に尽きます。エンジェル投資家や複数のVCから出資を受けているので、「成長の期待が高い」のもポイント。まあ、成長しなければならない宿命を背負っているとも言えるんですが(笑)。

中山:メンツはどう?

鈴木:自画自賛になるけど、メンツは優秀ですよ。意欲がある人には良い環境です。

中山:ユーティル独特の社風ってあります?

鈴木:数値やデータに基づいたロジカルさは求められます。それはエンジニアだけじゃなく、営業もマーケもCSもそう。データを振り返って改善PDCAを回す。逆に言うと、きちんと説明が付けばなんでもチャレンジできますよ。

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