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サイバーエージェント・キャピタル竹川氏に訊く「ユーティルへの投資を決めた」理由

ユーティルは複数のベンチャーキャピタルから出資を受けていて、サイバーエージェント・キャピタルさんはその1社です。今回、投資担当者の竹川 祐也さんにお話を伺いしました。

ユーティルの事業内容と経営メンバーをどう評価したのか?期待と不安はなんだったのか?そして最終的にユーティルへの投資判断をどう下したのか?についてストレートにお聞きしてみました。

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竹川さんが起業家を見るときのポイント

中山 竹川さんは2015年に「VCは事業内容以外、起業家のどこを見ているのか?」というnote で

・面談やSkypeの日程調整・時間調整のやり取りがスムーズかどうか
・FacebookやTwitterなどで人となりを想像されることを知っているか
・第一印象に気を使っているか
・質問に対してまっすぐ答えられているか
・芯はあるが頑固ではないかどうか

をポイントに挙げていましたが、正直、起業を志すレベルの人であれば、全員がここはクリアしていると思うんですが。

竹川 意外とそうでもないんですよ、それが。本当にいろんな人がいます。

私は2004年からVCをしていて、上記のチェックポイント以外にもいくつか心がけていることがあって、経営者のブログは全部読むようにしています。理由は、経営者の感情のアップダウンや揺らぎ、人となりは文章に現れるからです。

中山 その人のメンタリティや人柄をきちんとインプットしておくんですね。ちなみに、岩田さんは竹川さんの目にどう映りました?

竹川 元々は経営者としてではなく、互いにVCとして会っていたので普通とはちょっと違うパターンですね。今も覚えているのが、「どういう投資先が好きか?」という会話を交わしたときに彼と自分のVCとしての感覚が近いな、と感じました。
※編集部注釈:ユーティル代表の岩田は起業前はVCとして働いていました

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中山 その何年か後に「VCと経営者同士として再会する」ことになるとは、当時は予想もしなかったでしょうね。

竹川 そういう意味では、出会い方がちょっと特殊だったので、最初の段階からステージが違ったかもしれません。あと、もうひとつユーティルが珍しかったのは「受託での起業」だったこと。通常、起業するとなると「社会的な課題解決をする!」って流れになりやすいところが、そこを受託で起業するのは逆に勇気がいるんじゃないかな?と思いました。地に足がついて、他人の意見に左右されない人だと感じましたね。

中山 身の丈以上に飾らない、等身大という姿勢はユーティルにも当てはまりますかね?

竹川 ですね。受託を経験してユーザーと真摯に向き合い、課題をベースに事業を組み立てているWeb幹事は、投資段階からうまくいく印象はありました。

ユーティルへの投資判断を下すときの期待要素と不安要素

中山 とはいえ、成功保証のない投資の世界で、ユーティルにゴーサインを出したときの期待と不安、それぞれの要素があったと思うんですが。

竹川 「1.事業内容&マーケット」と「2.経営陣」という軸で話しましょうか。まず、事業内容&マーケットの期待でいうと、じつは投資するという判断は早かったです。将来的にAIが台頭するし、テクノロジーの方向に寄っているので、Web幹事のアナログなモデルが社内でどう評価されるか…?というのは気にはなっていましたけどね。

中山 社内合意はどう形成したんですか?

竹川 検索行動がすぐに変わることはないだろうし、B2B等、ウェブの世界以外へ拡張する構想もあったので問題にはなりませんでした。

不安要素は、ユーティルは「ウェブ制作には詳しいが、違うジャンルでノウハウがスピード感を持って転用できるのか?」という点。ウェブ制作だけだとマーケットが狭いと思われたかもしれないです。が、競合は一括請求系サービスが多かったので、そこに対する潜在的不満を解消するソリューションになりえるだろうと予測しました。

中山 経営陣等のヒトについては?全員と面談されたんですか?

竹川 岩田さんを入れて経営陣は3人で、全員と会ったわけではないです。ケースに応じて誰と会うかは変わりますが、投資後ボードメンバー全員とお会いしました。

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※リリース当初の岩田(右)とCTOの鈴木(左)

中山 経営者に求めるのはカリスマ性とか、強力なリーダーシップですかね?

竹川 以前はカリスマ性をもとめる傾向もあったんですが、今はむしろ「弱さを晒せる人柄」も大事です。起業家個人が超優秀でも優れたチームになるとは限りません。社長がスーパー有能過ぎてほかのメンバーが疲弊することもあります。チームビルディングがうまくいくチームは、社長にいい意味で隙きがある、可愛げがある…でしょうか。

岩田さんはマイクロマネジメントはせず、得意ではないことを認められる人かなと。人によって態度を変えない性格が好印象でした。

中山 じゃあ、反対にユーティルのメンバーに感じた不安要素は?

竹川 とくにはないですが、強いて言えば、私が岩田さんと一緒に危機を乗り越えた経験がないので、岩田さんはうまくいかなくなったときにどのようにチームを立て直すのか……でしょうか。

ちなみに、私が思う「優れた経営者が持つ能力」として、『1.他責をしない、2.コントロールできる・できないの切り分けが上手い、3.問いを立てられる』があります。

中山 1と2はよく耳にしますが、3の問いを立てられる…とは?

竹川 重要なのは問題を解くことよりも、問いを立てる能力なんです。問いを立て続けられる人とそうでない人がいて、中にはそれを辞めてしまう人もいます。問いを立てるということは、考えやアクションが変化しやすいともいえるので、朝令暮改とも受け止められやすいんですが、起業家にはこの能力が重要です。

中山 「ユーティルに投資しよう」と判断したのは1つの理由ではなく、複合的な要素がかみ合った結果なんですね。

竹川 そうです。総合的な判断でGOとなりました。あと、プラスアルファとして岩田さんから直に連絡をいただいたのも理由のひとつです。VCだって経営者に選ばれたいですからね(笑)。VC同士としてお会いしたときの彼に対する良い印象もありました。

1年半前を振り返って、ユーティルに投資した判断はどうだったか?

竹川 まあ、まだ判断を下す時期じゃないですね。これからが勝負。Web幹事は動画等の次のジャンルに進めているのは評価ポイントです。

組織面についてもこれからに期待……ですね。オペレーションの仕組みが出来つつあるので、これからは社の中心となって、カルチャーを作れる人事の軸になる人材が現れてほしい。どんな人がユーティルを構成しているのか、どんな人がユーティルの文化にフィットするのか、を考えて形作れるとベストです。

中山 それは外部から採用して、という意味ですか?

竹川 今の現場の中で成果を出している社員を抜擢するか、外部で活躍している人を引っ張ってくるか、どちらでもOKです。いずれにせよ、組織施策のアイデアを出せて「攻めの人事」ができる人を据えてほしいですね。

中山 ユーティルに期待を込めて叱咤激励を送るとしたら、なんと伝えますか?

竹川 どの投資先にも言えることですが「いかにスピードを上げるか」でしょう。いつまでにこれを達成すると目標を決めて邁進してほしい。ユーティルの場合、ユーザーのニーズを探っていた時期は終わりつつあります。

中山 では、これからは成長期?

竹川 そうです。これまでは確信をつかむための試行錯誤期間だったのが、今は戦略固まって資金調達もできました。これからは「ゴールに向かって逆算で何にいくら使い、どう進めていくか?」を考え、成長させるステージ。アクセルを踏む時期にシフトしたと考えています。岩田さんとユーティルの面々には期待していますよ!

竹川 祐也 / サイバーエージェント・キャピタル
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